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2017/04/25

ロトリガ粒状カプセル(武田薬品)

テーマ:勉強会memo

【担当】かいてき調剤薬局空港通店
平成29年4月24日
【講師】武田薬品工業株式会社

【一般名】オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル(EPA・DHA製剤)
ロトリガは魚油成分を濃縮した高純度オメガ-3脂肪酸製剤である。

【効能効果】高脂血症

【用法用量】通常、成人にはオメガ-3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回、食直後に経口投与。
ただし、トリグリセラド(TG)高値の程度により1回2g1日2回まで増量できる。

【作用機序】オメガ-3脂肪酸エチルは肝臓からのTG分泌を抑制し、さらに血中からのTG消失を促進することによりTGを低下させる。またEPA-E及びDHA-Eは肝臓のTG含量を低下させ、脂肪酸・TG合成経路の酵素活性を低下させる。

その他の特徴:LDLを粒子径により7段階(LDL1~7)に分け、LDL-1およびLDL-2をlarge buoyant LDL、LDL3~7をsmall dense LDLとしたときに、ロトリガにはsmall dense LDLを減少させる効果が見られた。

Small dense LDLは超悪玉コレステロールと呼ばれており、体内で代謝を受けにくく、酸化しやすい。
ロトリガには、large buoyant LDLの量を下げる働きはないが、small dense LDLを減らし、large buoyant LDLのみにすることで、LDLの質を上げると考えられる。

スタチン製剤などで、large buoyant LDLを低下させるだけでなく、ロトリガの併用でsmall dense LDLも低下させることで、症状の改善が期待される。

服用時の注意点:ロトリガは吸収時にコレステロールエステラーゼで切断され、胆汁酸ミセルに取り込まれ吸収されます。コレステロールエステラーゼは食事により分泌されるため、空腹時は避け、必ず食直後に服用すること。
空腹時の服用は、ロトリガが吸収されずに排泄されてしまうため、副作用の下痢の原因にもなり得る。

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