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2019/07/09

ピリドキサールとピリドキシン

テーマ:勉強会memo

ビタミンB6(水溶性ビタミン)-肉類、魚類、豆類やバナナ、アボカドなどに多く含まれる

ビタミンB6の活性を持つ6つの化合物の総称名

  • アルコール型のピリドキシン[ノイロビタン・ビタメジン] → 左記の5′-リン酸エステル型
  • アルデヒド型のピリドキサール → 左記の5′-リン酸エステル型(PLP・ピリドキサールリン酸アデロギサール散※活性体
  • アミノ基型のピリドキサミン → 左記の5′-リン酸エステル型(PMP)

※ピリドキシンやピリドキサミン、そのリン酸化化合物からピリドキサールやピリドキサールリン酸への変換には補酵素としてビタミンB2が関与するので、ビタミンB6の活性化にはビタミンB2も必要。

-ピリドキシン依存性てんかん-

ピリドキシン依存性てんかん(pyridoxine-dependent epilepsy:PDE)は,新生児期より(乳児期発症の非典型例もある)全身けいれんを頻発し,各種抗けいれん剤に反応せず,大量のピリドキシン投与によってのみけいれんを抑制することが可能な疾患である。ピリドキシン投与を中止するとやがて再びけいれんが起こり,放置すれば知能障害に陥り,ピリドキシン治療を早期に開始すれば正常の発達を期待しうる。遺伝形式は常染色体劣性遺伝が考えられている。

管理および治療

標準的な治療は、発作コントロールのためにピリドキシンの経口補充を生涯続けること(小児では 15~30 mg/kg/日を 3 回に分けて内服;最大用量は新生児で 200 mg/日、成人で 500 mg/日)と、臨床的フォローアップを定期的に行うことである。てんかん重積状態を最初に止める
にはピリドキシン 100 mg を最大 5 回まで静脈内投与する必要があり、その間は心肺停止の徴候が現れないか注意深くモニタリングしなければならない。ピリドキシンによる治療と併せて、食事中のリジン制限も推奨される。リスクのある妊婦では、妊娠後半期を通してピリドキシン(100 mg/日)を補充することがあり、新生児には診断検査が完了するまで予防的にピリドキシンを投与すべきである。

※小児てんかん学会では、変換酵素がない場合があるため、ピリドキサールリン酸エステル水和物での処方を推奨

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